デング熱発症で日本人女性が死亡
厚生労働省は22日、フィリピンに滞在歴のある新潟県の30代女性がデング熱を発症し、死亡したと発表しました。
国内のデング熱による死亡は2005年以来。厚労省は女性が国内で蚊に刺されておらず、感染拡大の可能性は低いと説明しています。
デング熱とは?
デング熱は、蚊が媒体するウイルス性の熱性疾患で、アジア中南米、アフリカなど世界の広範囲にわたる地域で流行しています。人から人への直接的な感染はありません。
感染媒体となる蚊は、『ネッタイシマカ』と『ヒトスジシマカ』です。
主たる媒体蚊はネッタイシマカですが、日本には常在していません。
ヒトスジカは青森県以南で見られますが、卵を介してウイルスが次の蚊に伝わることはないので、限定された場所での一過性の感染になると考えられています。

デング熱の症状
蚊に刺されてから3日~14日(多くの場合は4~7日)の潜伏期間後、38~40度の高熱・頭痛・眼窩痛(目の痛み)・関節痛・筋肉痛・発疹などの症状が現れます。
1週間ほどで解熱し、その後はよくなる傾向が高い疾患です。
稀に出血症状を発症する場合があり、その場合は適切な治療がなされないと致死性の病気になります。
デング熱の4つの予防法
デングウイルスに対する特有の薬はないので、感染した場合は対症療法(※1)となります。
そのため、デング熱にかからないための予防がより重要になります。
デング熱の予防に関しては、まず『蚊に刺されないこと』が有効です。
予防法としては、
① 長そで長ズボンを着用し、素足やサンダルは避けること
② 虫刺され防止薬を利用すること
③ 室内の蚊の駆除を心がけること
④ 蚊の発生源となる水場(花瓶や雨水のたまる場所など)を作らないこと
(※1)対症療法…表面的な症状の消失や緩和を目的とする治療法
